ロコモティブシンドロームの予防体操とチェック方法を紹介

ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

ぱっと聞いた感じだと、「ハワイの丼もの?」と思ってしまいそうな、なんとなく美味しそうな雰囲気がしますが、実は健康に関するとても大事なことなのです。

簡単に言いますと、お年寄りなどが立ったり歩いたりすることが難しくなっていく、体が弱ってしまい不自由になってしまう状態を指す言葉で、正式な言葉は「ロコモティブシンドローム」といいます。

しかしながら近年は、この「ロコモ」とわれる状態に、お年寄りだけでなく子どもまでが当てはまるようなことが心配されています。

今回は、国民全体に関係がある「ロコモティブシンドローム」について、どのような状態があてはあまるのかをチェック方法としての体操、また、ロコモティブシンドロームを予防するための体操についてまとめました。

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ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは?

ロコモティブシンドローム

「ロコモティブシンドローム」を漢字で表現しますと「運動器症候群(うんどうきしょうこうぐん)」となります。

ここでいう「運動器」というのは”物”としての器具のことではなく、骨や関節、筋肉のことで、いわゆる“体を動かす器官”のことを指しています。

つまり、「ロコモティブシンドローム」とは、そういった体を動かすための器官が弱ってしまい十分に働かない状態のことをいいます。

例えば、お年寄りですと、ひざが痛くて立ち上がるのがつらい、腰が痛むので重いものが持ち上げられないなどが分かりやすい例でしょうか。

歳をとり、そのような状態になってしまうと、容易に転んでしまったり怪我をすることが増えてしまい、場合によっては骨折、そして寝たきり状態となってしまう恐れがあります。

子どもがロコモティブシンドロームになる?

冒頭でも書きましたが、実は、子どもがロコモティブシンドロームになることが問題になっています。

その理由は、

1.生活が便利になり、歩いたり、体をうごかす機会が減った。

2.勉強・ゲームをする時間が増え、前かがみに座ったままでいる時間が増えた。

3.外遊びをすることが減ってしまった(前述の2による)。



などが考えられます。

子どものからだ、運動器は、遊んだりしながら使うことで発達していきます。そのため、子どものころから体を動かす機会を減らしてしまうと、運動器の発達が阻害され、そして体の柔軟性が失われてしまいます。

その結果、子どものうちから体の関節がかたくなったり、腰痛・肩こりなどをしてしまうような、もろく怪我をしやすい体になってしまうというのです。

子どものうちからロコモになることで予想される問題

1.大怪我をしやすくなる?

中学生くらいの成長期になると、骨と筋肉、そして腱の強度や関節の可動域などのアンバランスがおこり怪我をしやすくなります。

また、運動をしていないということは、とっさに体を動かすことも反応することも出来ないため、普通なら回避できるような危険物や、転んでしまったときの受身なども十分に取れず、そのために大怪我をする可能性が増えてしまいます。


2.生活習慣病になりやすくなる?

子どものころから体を動かす機会が少なくなると、当然大人になっても運動が苦手・嫌い、ということになりかねません。

そうなると、当然考えられることは、「肥満」や、それに伴う「生活習慣病」になってしまうことですね。


3.老後の体の衰え方が早くなる?

子ども時代、そして20代などからだのつくりを強化・確立するための時期を十分な運動をせずに過ごしてしまった場合、その後体を発達させることが出来なくなることが考えられます。通常、よほど体を鍛えている人でもない限りは体は20代までがピークで以降は衰えていくからです。

そうなると、これまでの世代が60~70歳代で迎えていたような体の不調・衰えを、もっと若い時期に(下手をしたら40~50代で)迎えてしまうことも、多少大げさかもしれませんが可能性として「ない」とは言い切れないのではないでしょうか。


ロコモ度のチェック方法

どれくらいロコモティブシンドロームに当てはまるか?という度合いを「ロコモ度」と表現します。

自分自身や、親、そして子どもがロコモティブシンドロームかどうかが気になる所ですが、ロコモ度合をチェックする方法があります。

ロコモティブシンドロームという状態は、体の筋力低下や関節の可動域の減少が問題である、ということは前に述べたとおりです。ロコモ度のチェックでは、ある体操をすることでその度合いを確認します。

以下に、ロコモ度の基本的なチェック方法としての体操を紹介します。以下の体操のうち1つでも出来ない体操があれば「ロコモ」の予備軍といえます。

チェック1:片足立ち

両手を左右に広げて片足で立ち、そのまま5秒間ふらつかずに静止することが出来るかを確認します。

チェック2:両手上げ

両手をまっすぐ耳の後ろまで上げられるかを確認します。

チェック3:しゃがみこみ

両手をまっすぐ前に伸ばしたまま、腰をかがめてすわれるか確認します。ただし、このとき両足の裏全体(かかと)を地面から離さないようにしゃがめているか確認します。

チェック4:手首そらし

両手のこぶしを握りながら腕をまっすぐ伸ばし、続けて両手をじゃんけんのパーのように開き上に(手の甲側に)そらします。このとき、手首が70度以上反らせるか確認します。

チェック5:前屈

直立し、両膝を伸ばしたまま腰を前にまげていき、体を前屈させた状態で地面に指がつくか確認します。

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ロコモティブシンドロームを予防するには?

ロコモティブシンドロームであるということは、生活習慣病の原因となる可能性もあるとなれば、予防対策を考えていく必要があります。

しかし、いざ予防となるとどうすればよいのだろう?と悩んでしまうかもしれませんが、ロコモティブシンドロームの予防は、特に難しいことをする必要はなく、先ほどのロコモ度チェックの体操を行うことがそのまま予防体操になるといえます。

つまり以下をような体操を、日々の予防体操として行えばよいということですね。

1.片足立ちで5秒以上立てるようにする体操。

2.両手を挙げるときに耳の後ろに腕が来るくらいしっかり挙げられるようにする体操。

3.かかとをしっかり地面につけたまましゃがみこめるようにする体操。

4.両手を伸ばして手首をうえに70度以上そらすことが出来るようにする体操。

5.ひざをしっかり伸ばした前屈で、地面を触れるようにする体操。



しかし、それだけでは予防としては物足りないという方のために、ロコモ体操動画がありましたので紹介しておきます。予防体操の参考として、一度ご覧になってみても良いかと思います。


おわりに

いかかでしたでか?

今回は、ロコモティブシンドロームとはどういったものかということを踏まえながら、ロコモ度をチェックする方法や、予防するための体操・運動について紹介しました。

ロコモティブシンドロームという言葉自体は最近生まれた言葉で、2007年に日本整形外科学会がロコモという概念を提唱したことが始まりです。

日本は、ただでさえこれから高齢化社会へと突き進んでいきます。その中で、今後の社会を支えていく若い世代が、早いうちから年寄りと同じような体力になってしまうのでは?という懸念は当然見過ごすことが出来ない問題です。

やはり子ども世代に対しては、大人からのアプローチで子どもがロコモティブシンドロームとなってしまわないような、チェックや、歯止めをかける予防対策というのが必要かと思います。

しかし当然ながら、自分自身もロコモティブシンドロームとならないように気をつけるべきことでもあります。少なくとも自分のロコモ度はしっかりチェックして、もし不十分であれば、これからしっかり予防体操などの対策をしていきたいものですね。

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